2009年7月4日 不正受給の診療報酬、コンサル会社に入金
奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」が生活保護受給者に手術や検査をしたように装って診療報酬を不正受給したとされる詐欺事件で、受給者 の診療 報酬が、同病院ではなく、大阪市北区の医療コンサルタント会社の口座に入金されていたことが捜査関係者への取材で分かった。同病院は経営難で資金繰りが悪 化しており、県警は、同社から借り入れた運転資金を返済していた可能性があるとみている。
捜査関係者によると、診療報酬のうち、国民健康保険の加入者分は同病院の口座、全額公費で賄われる受給者分はコンサルタント会社の口座に振り込まれていた。
この会社は、経営状態が悪化した病院に経営ノウハウを熟知した事務職員を送り込み、資金援助もして、病院の経営権を握る手法で事業を展開。代表者は 不動 産や金融事業も手掛けている。捜査関係者は、詐欺容疑で逮捕された事務長、大杉龍太郎容疑者(57)は05年に同社から送り込まれたとみている。同社代表 者と大杉容疑者の関係について、大杉容疑者の元同僚は「10年以上の付き合いだった」と証言した。
同病院は05年、土地、建物の仮差し押さえ処分を受け、理事長の山本文夫容疑者(51)は関係者に「病院は赤字ではなかったが、銀行が運転資金を貸 して くれず困ったことが何度もあった」と話していた。「コンサル会社にかなり厳しく取り立てられていたようだ」との証言もあり、こうした中で、診療報酬の架空 請求に手を出したとみられる。