2009年2月13日提供:共同通信社
大学野球の強豪、奈良産業大(奈良県三郷町)硬式野球部の元監督(50)が町内で経営する整骨院が、部員の氏名を使って架空の施術の申請をし、医師の診療報酬に当たる療養費を不正に受給していた疑いがあることが19日、分かった。
不正な申請書類は数百枚で、受給総額は数百万円に上る可能性もあり、奈良県と近畿厚生局が実態を調べている。大学は調査委員会を設置し、近く結果をまとめる。
同日記者会見した藤原忠理(ふじわら・ただまさ)監督によると、2007年以降、藤原監督が整骨院から白紙の申請書を毎月数十枚受け取り、同時に渡される部員のリストを基に20-30人に署名させていた。
部員がけがをした際などに整骨院に行かせており、元監督から「氏名の記入漏れがあった場合や、けがの時にすぐ対応するため」と頼まれたという。
今月14日に報道機関の取材を受け、元監督に聞くと「そういう形でやっていた。経営が苦しかった」と不正を認めたという。藤原監督は「野球部が積極的に関与したわけではない」とした上で「学生に申し訳ないことをした」と謝罪した。
奈良県によると、部員の保護者が昨年9月ごろ、大阪府に「行ったことのない整骨院の施術の通知書が来た」と情報を寄せ、発覚した。
奈良産大などによると、元監督は1984年から初代監督を務め、同大助教授も歴任。2004年に退職し、06年に整骨院を開設した。現在は大学と雇用関係はないが、野球部OBらから「総監督」と呼ばれている。
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