皆さま、こんにちは。
アイワ接骨師会の山本でございます。
今回は、先日ある先生からこんなお問い合わせがありました。
先生「自家施術は請求してはだめですか?」
開業したての先生方から、上記のようなお問い合わせをいただくことがございます。
今回はこの件について、深く掘り下げてみましょう。
まず、この業界のルールとして、保険診療において【自己診療】と呼ばれる行為は認められていません。
医科の話ではありますが、医師の家族であったり、医院の職員に対して診察・治療することは【自家診療】と呼ばれます。自院の職員やその家族を診察、治療することは「自家診療」と呼ばれ、その際に一部負担金を徴収しない場合があるようです。ですが、この場合においても違反行為となります。
”(1)自己診療について
医師が、自身に対して診療し治療を行うことを「自己診療」といい、健康保険法等に基づく現行の医療保険制度は、被保険者、患者(他人)に対して診療を行う場合についての規定であるとされていることから、自己診療を保険診療として行うことについては、現行制度下では認められていない。保険診療として請求する場合は、同一の保険医療機関であっても、他の保険医に診察を依頼し、治療を受ける必要がある。”
”(2)自家診療について
医師が、医師の家族や従業員に対し診察し治療を行うことを「自家診療」という。
自家診療を保険診療として行う場合については、加入する保険医療制度の保険者により取扱いが異なるようである。認められる場合についても、診療録を作成し、必ず診察を行い、その内容を診療録に記載し、一部負担金を適切に徴収するのは当然である。無診察投薬、診療録記載の省略、一部負担金を徴収しない等の問題が起こりやすいため、診察をする側、受ける側ともに注意が必要である。”
自家施術とは柔道整復師側に置き換えると、「管理柔道整復師のお身内に対する施術(自家施術)」のことをあらわします。
医師側とは反対に、柔道整復師側では自家施術について明確化されていません。
保険者側では認めていないのが現状であります。
もし自家施術のレセプトを上げた場合に
ここで問題となるのは「施術の実態があるのかどうか」になります。
実際のところ、ちゃんと院にて施術していたとしても、保険者の印象はいかがでしょうか?
いつでも口裏合わせが出来る環境にあるために、定かではないと捉えられます。
たとえば・・・
・実際に来ていないのでは?
・実際には二部位以降は負傷していないのでは?
・窓口料金を払っていないのでは?
上記等の理由が懸念される為です。
先生方からは、『親のために』『息子の外傷を治してあげたい』との理由をよく聞くのですが、この様な理由は、一切保険者には通用しないのが現状でございます。
請求したとしても返戻傾向にあること、また不支給となっても何も言うことができません。
少し前に、この自家施術について、過去には要望書が出ています。
”平成24年に全国健康保険協会から厚労省に出された要望書の一文
④医療機関及び施術所における禁止事項
カ)施術者の親族等に対する施術(自家施術)を行うこと”
医科側と同様に、禁止事項となる日がくるかもしれません。
今一度、ご確認いただければと思います。